5c-Yen | Open Type Variable Font

5c-Yen バリアブル・フォント | 5c-Yen Variable Font

Variable Fontに関する一般的な情報、およびNoto Fontからの変更点について

ダウンロードはこちら(Gothic Mono) またはこちら(Gothic) から
明朝体版はありません (2021年4月現在、元になる Variable な Noto Serif CJK JP が存在しないため)

Variable Fontについて

2021年4月 Noto FontのVariable版がリリースされました。
(情報を得たのはAdobe版のリリース情報で、そこから上記へたどり着きました。)

Variable Fontについては @usagimaru さんの下記の記事を参照していただくのがよいと思います。
特にFont Variation と Variation Axis Tag の wght がこのページの記載に関連する箇所です。

Microsoftのサイトに記載されているVariable Fontの規格文書は必見だと思います。(上記の記事でも参照しています)
OpenType Font Variations Overview

NotoフォントのVariable版では、補間のできる軸としてWeightが指定されています。
ファイルサイズは[非Variable版のWeight 2つ分] より少し大きい程度で、[Variable版のWeight 7つ分] を収録できています。
(RegularとBoldだけでよいのであればVariable版のメリットはなさそうです。)

Windows 10の.Net 4.8環境で試してみる限り、コントロールのFontweightプロパティに
後述のfvarに定義していないWeightを設定しても補間は行われませんでした。
しかしfvarにWeightの定義を追加し、Weightの異なる字体を表示することは可能でした。

5c-Yen Variable Font 作成時の変更点

5c-YenのVariable版を作成する際、変更したVariable Font特有のテーブルは下記の2つです。

fvar,STATのほかに非Variable版と同様にname,OS/2,hheaも変更しています。
avarはVariable Font特有で、補間の調整ができるようですが、変更はしていません。

Noto Font から 5c-Yen Variable Font を作成した際の主な変更点は下記のとおりです。

コードポイント 0x5cのGlyph
フォントの名称の通りYen Signを割り当てています。5c-Yenの非Variable版と同様です。

収録しているコードポイント
削減しています。5c-Yenの非Variable版と同様です。

行間
若干狭くしています。5c-Yenの非Variable版と同様です。

Weight
WPFでのWeight名称表示の都合でFontWeightsクラスに定義されていない値は削除/変更しています。(非Variable版の記述を参照)
せっかくVariable Fontをベースにしているので、補間できる範囲で未定義のものはfvarに追加しました。

Noto Sans VF → 5c-Yen Gothic VF

DemiLightを削除
ExtraLight、SemiBold、ExtraBoldを追加

※非Variable版は名称の付け替え(Light → ExtraLight、DemiLight → Light)でしたが、
Variable版は補間ができるため、上記のようになりました。

Noto Sans VF		5c-Yen Gothic VF
Thin	100	Thin	100
		ExtraLight	200
Light	300	Light	300
DemiLight	350
Regular	400	Normal	400
Medium	500	Medium	500
		SemiBold	600
Bold	700	Bold	700
		ExtraBold	800
Black	900	Black	900

Noto Sans Mono VF → 5c-Yen Gothic Mono VF

Medium、SemiBoldを追加
Regular(Normal)、BoldはWeightの指定を変更(WPFで都合が悪いので)

Noto Sans Mono VF		5c-Yen Gothic Mono VF
Regular	390	Normal	400
		Medium	500
		SemiBold	600
Bold	780	Bold	700

Mono(等幅)フォントはRegular(Normal)より細い字体が欲しかったのですが、
最も細い字体のデータがRegularなので追加できませんでした。
(Regular - Bold 間の補間はできるが、Regularより小さいWeightを指定してもRegularと同じ字体が出力される。)

○サブセット化に使用した環境、fonttoolsは下記のとおりです。

Windows 10(64bit)
Python 3.9.2
fonttools v4.22.0

作成結果のチェック

[Noto Font Sans (Mono) VF]と作成した[5c-Yen Gothic (Mono) VF]を使用して平仮名の [あ] をTextBlockへ表示、
PNG形式で保存し、黒(α:255,R:0,G:0,B:0)のピクセルを数えました。
TextBlockのBackgoundはWhite、FontSizeは256pxを指定しました。
Width、HeightはPNGの横、縦のピクセル数です。(Notoと5cYenでHeightが異なるのは行間を変更しているため)
WPFのフォント描画はClear Typeの影響を受けるので、環境が異なると結果が変わるかもしれません。

Noto Sans VF					5c-Yen Gothic VF
Weight		Width	Height	Black Pixels	Weight		Width	Height	Black Pixels
Thin	100	256	370	5,980	Thin	100	256	329	5,980
					ExtraLight	200	256	329	7,960
Light	300	256	370	9,901	Light	300	256	329	9,901
DemiLight	350	256	370	13,685
Regular	400	256	370	15,284	Normal	400	256	329	15,284
Medium	500	256	370	19,097	Medium	500	256	329	19,097
					SemiBold	600	256	329	21,517
Bold	700	256	370	23,841	Bold	700	256	329	23,841
					ExtraBold	800	256	329	26,108
Black	900	256	370	28,288	Black	900	256	329	28,288

Noto Sans Mono VF					5c-Yen Gothic Mono VF
Weight		Width	Height	Black pixels	Weight		Width	Height	Black pixels
Regular	390	256	370	15,289	Normal	400	256	329	15,289
					Medium	500	256	329	18,231
					SemiBold	600	256	329	21,064
Bold	780	256	370	23,860	Bold	700	256	329	23,860